「投資のリスク」より、ずっと怖いリスクとは?
見えないリスク
「投資は怖い」
「損したらどうしよう」
——そう思って、踏み出せずにいませんか?
でも、本当に怖いのは「投資で損をするかもしれないリスク」でしょうか。
私はそうは思いません。
本当に怖いのは、**「ゴールにたどり着けないリスク」**です。
「真面目に働いているのに、なぜか苦しい」のは、あなただけではない
日本では2026年の春闘で賃上げ率が5.26%を記録し、3年連続で5%超を達成しました。
数字だけ見れば「令和の賃上げ」は順調に進んでいるように見えます。
でも、2025年の実質賃金は前年比マイナス1.3%。4年連続のマイナスです。
なぜこんな逆説的なことが起きるのか。
賃上げ分の約4%は、物価上昇・社会保険料の増加・新設された子育て支援金などにじわじわと吸収されてしまい、実際に手元に残る増加分はわずか1.3%程度にとどまるからです。
「給料は上がったはずなのに、何も楽にならない」
——その感覚は、気のせいではなく、構造的な現実なのです。
さらに気になるのが、今の地政学リスクです。中東情勢の悪化を受けた原油価格の上昇は、今後の値上げの材料になりかねません。
最近は企業もコスト上昇分をそのまま価格に反映することに以前ほど慎重ではなくなっているため、資源高や円安を理由にした値上げの動きが、これから秋以降さらに広がる可能性があると言われています。
電気代・ガス代も、資源価格上昇の影響が遅れて出てくる分、これから上昇圧力が強まっていくと見られています。
これは日本だけの話ではありません。
私が住むカナダでも、新しく仕事を始めた人の購買力(お金の物を買うことのできる力)は、2021年と比べてまだ低い状態が続いています。
アメリカでは、低賃金で働く人たちの「実質的な」賃金が、むしろ前の年より下がってしまったというデータも出ています。
つまり、どの国でも本質は同じということです。
「真面目に働いて、給料も上がっているはずなのに、生活はちっとも楽にならない」。
誰もが感じている共通の不安なのです。
本当に怖いのは「貯金しておけば安全」という思い込み
ここで、立ち止まって考えてみたいことがあります。
「投資はリスクが高い、貯金にしておくのが安全」
——そう思っている人は多いです。
でも、本当にそうでしょうか?
物価が上がり続ける中で、貯金だけに置いたお金の「価値」は、何もしなくても静かに減っていきます。
何もしないことは、実は「安全」ではなく、ゆっくりと目標から遠ざかっていく、もう一つのリスクなのです。
そして、本当に重大なリスクとは——「投資で一時的に値下がりすること」ではなく、**「このままでは、たどり着きたかった未来に、永遠にたどり着けないこと」**ではないでしょうか。
もし、私がこう質問したら、あなたはなんと答えますか?
「これからゴールに向かって進みますが、歩いて行きますか、自転車で行きますか、車で行きますか、飛行機で行きますか?」
あなたは「どこまで行くかによる」と答えると思います。
私があなたに問いたいのは**正にこれ**です。
歩いて20~30分で行ける距離ならば歩いて行くのが無難だし安全かも知れません。
でも、もしあなたが東京からニューヨークに行かなければならないのなら、「安全だから」と歩いて向かったら、いつ到着できますか?
時間の制限がなければいつかは辿り着けるかもしれませんが、リタイアメントまでは時間が限られています。
投資にリスクがないとは言いません。
ルールややり方を知らずに飛び込むのは危険だしリスクが大きいです。
でも、きちんと基礎知識を得てからならば「飛行機」に乗ってみるのはアリだと思いませんか?
公認会計士として8年半勉強していたのに、投資は素人だった話
ここで、私自身の話を少しさせてください。
私は8年半、公認会計士の勉強をしていました。
会計や数字には人生のかなりの時間を投じてきた人間です。
ですが、ファイナンシャル・プロフェッショナルとして副業を始めるまで、投資については完全な素人でした。
専門が違えば、知らないことはどれだけ勉強していても知らないままなのです。
投資の基礎知識を一から学び直したとき、私は本当に愕然としました。
「なんで、あと10年、いや5年でも早くこの知識を学ばなかったんだろう」と。
でも、その後思い直したのが、前回の記事でもお話しした、あの言葉でした。
後悔している時間も、もったいない。
今日から始めれば、それが一番早い日になる。
そう思い直して投資を始めてから、18年。
時間はかかりますが資産は着実に積み上がります。
あなたが避けているのは、本当に「危険」ですか?
投資には、たしかにリスクがあります。
それは否定しません。
でも、「何もしないこと」にもリスクがあります。
それは、目に見えないだけで、もっと静かに、もっと確実に、あなたを目標から遠ざけていくリスクです。
あなたが今避けているのは、本当に「危険」なものでしょうか。
それとも、「知らないこと」への漠然とした不安だけなのでしょうか。
立ち止まって、一度考えてみてください。

