私が、死に安堵した夜のこと。

夜中に目が覚めて、トイレに立ったある日。

次の瞬間、突然何かが私の肩と頭に激しくぶつかってきました。

——でも違いました。

何かがぶつかってきたのでなく、「私が」倒れていたのです。

バスタブの角に頭が当たっていました。

こみ上げてくる、軽い吐き気。


「頭を打って吐き気がするってことは、
もしかして、死んじゃうのかな・・・私。」


そう思った瞬間、

私は、心から安堵しました。


「あ〜、もう頑張らなくていいんだ‥‥私。」


そう思ったら、事件発覚後初めて心から安心して、
ぐっすりと眠りに落ちました。

あの頃の「普通の日常」

倒れる前の私の毎日を、少しだけ聞いてください。


朝7時半に家を出て、バスを乗り継いでオフィスへ。

仕事は朝9時から、夜中の2時、3時まで。

今で言えばブラック企業と呼ばれるような環境でした。


でも、それだけでは終わりません。


仕事中、元夫の両親から電話がかかってきます。

「息子が暴れているの。すぐ来てちょうだい!」


タクシーを飛ばして駆けつける。

話して、なだめて、落ち着かせる。

そしてまたオフィスに戻る。


身体も精神も疲れているはずなのに、全く眠れませんでした。

ファミリードクターからは睡眠薬を勧められていました。


でも、薬だけには頼りたくなかった。

ヘロイン中毒になった夫を見ていたから。

「私は絶対に、薬に頼らない。」

それだけが、あの頃の私の意地でした。


だから私は考えました。

もっと身体が疲れれば、自然と眠れるに違いない。


朝7時半に家を出る前に、さらに2時間早く起きて。

オフィスの下のジムで、毎朝1時間走り続けました。

3ヶ月、4ヶ月。

それが、あの夜に繋がっていました。


お金は、こんなにあっさり消えるものだった

実は、私が限界を迎えていたのは、身体だけではありませんでした。


別居を決める少し前のこと。

銀行から一本の電話がかかってきました。

「奥様、共有のクレジットカードの残高が700万円に達しています。
残高をお支払い頂けませんと、クレジットカードは使えません。」


頭が真っ白になりました。

それまでの私は、爪に火を灯すように節約して生きてきました。

将来のために。

家族のために。

子供ができたときのために。


コツコツと積み上げてきたはずのお金が——消えていた。

それどころか、私の知らないところで小切手まで使われていました。


そのとき初めて、気が付きました。


お金は、こんなにも簡単に、あっさりと消えるものなのだ。
と。

前のブログでも書きましたが「節約していれば安心」ではなかった。

自分でお金の舵を握っていなければ、どれだけ頑張っても意味がない。


この気づきが、後に私がファイナンシャルの世界に踏み込むことになる、

原点の一つになりました。


でもその時の私には、そんな先のことを考える余裕はまだありませんでした。

ただ毎日を生き延びることで精一杯だったのです。


目覚めてゾッとした翌朝

朝、目が覚めました。

久しぶりに眠れて、頭が少しスッキリしています。


でも次の瞬間、全身が冷たくなりました。


「死ぬと思って、こんなにホッとするなんて!」


私は、弱い人間ではないと思っていました。

節約して、働いて、夫を支えて、一人で立っていると思っていた。


でも、本当は。


死ぬことが、一番の安心だと感じるくらい、

追い詰められていたのです。


このままではいけない。

そう思いました。


私が選んだ、一言

私は、元夫と彼の両親の前に立ちました。

そして、静かに言いました。

「これ以上、できません。別居させてください。
私には、一人の時間が必要です。」

それだけでした。

長い説明も、

誰かへの怒りも、

正当性を主張することも、しませんでした。

ただ、「できません」と言った。


その言葉が、私が自分の人生の舵を取り直した、最初の一歩でした。

舵は、ギリギリになる前に取り直せる

今、このブログを読んでいるあなたに聞きたいのです。

毎日、誰かのために動いていませんか。

「私が頑張らなければ」と思って、自分のことは後回しにしていませんか。

「もう少し、もう少し」と、限界を越えても走り続けていませんか。

私がバスタブで倒れたのは、限界をとっくに越えていたからです。

身体が、勝手に止まった。

でも、本当は、もっと前に舵を取り直せたはずでした。

「できません」と言う前に。

倒れる前に。

死に安堵する前に。

舵は、どん底まで落ちなくても、取り直せます。

それが今、私がこのブログで一番伝えたいことです。

あなたへの問い

今のあなたは、

あなた自身を、どれくらい後回しにしていますか?

「できません」と言えずに、

誰かのために走り続けていませんか?

舵を握るのは、強くなってからではありません。

今日の、あなたにしかできないことです。


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「あなたには、ハートがない。」——その言葉が、12年後に真実になった日。

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